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西友のセルフレジを取り巻く2つのエコ2009-01-31


昨年、うちの近くにオープンした SEIYU があるのですが、その店舗ではセルフレジというものが導入されていました。
このセルフレジというのは、商品の購入時に自分でバーコードを読み込ませて、自分でそのまま支払いを済ませる事が出来るというものです。
支払いにはカードも使う事が出来て、提携クレジットならサインレス、そうでない場合でも電子パネルにサインをする事でカード決済を行う事が出来ます。
カードのサインって電子的なものでも良かったんですね。知りませんでした。

さて、そんなセルフレジですが、もちろん SEIYU の思惑としては人件費削減でしょう。1 台あたり何百万円する機械なのかは分かりませんが、数年運用すればペイする程度ではないかと予想されます。
万引きの可能性も考えてはいるでしょうが、操作補助のために 4 台の機械につき 1 人の人員を当てているので、そう簡単ではないですし、比較的オープンな作りになっている上、監視カメラも回っているので、セルフレジの場所で万引きというのはあまりなさそうです。

SEIYU の思惑に載せられるようで悔しくもあるのですが、有人のレジよりも回転が速く待たされないのと、バーコードを通すそばから袋詰めが完了するという利点があって、たびたび利用しています。
カゴを載せる台 → バーコードを読み込ませる台 → レジ袋のクチが開いている台の順に並んでいて、実にスムーズなんですよ。
経費削減だけでなく、利用者にも利便性を提供しているという上手い例ではないでしょうか。

ここまでがエコノミーなエコの話。

一方、ここ数年来、エコといえばエコロジーですね。
どれほどの効果があるかの科学的な検証はさておき、マイバッグ運動はずいぶん定着したように思います。
もちろん SEIYU も例外ではなく、有人レジで会計をする際は必ず「レジ袋はご利用になりますか?」と聞かれます。
これって、従来はレジ袋を利用するのがデフォルトだったのに、いまや利用しない事がデフォルトという事ですよね。ずいぶんと変わったもんだと思います。

うちはこんなにエコロジーなんですよ、自然に優しい企業なんです。というアピールする事で、企業イメージがアップする社会になってきたというのは、ある種、人間社会の豊かさの象徴であるようにも感じます。
こういう戦略が奏効するのはやはり先進国が中心ですしね。

さあ、ここでまたセルフレジの話に戻ってきます。
本当の意味でエコロジーを目指すのであれば、今の社会のスキームで言えば、レジ袋の利用は減らせるだけ減らした方がいいんですよね。

ところが、最新の方法論で華々しくデビューしたはずのセルフレジは、レジ袋使い放題なんですよ。
むしろ配置的にはレジ袋の利用を推奨しているような感じです。
マイバッグを利用する事ももちろん出来ますが、レジ袋のクチを広げるための棒があって、そこに大量のレジ袋がセットされているので、セルフレジを使用してさっさと会計を済ましてしまいたい層は、当たり前のようにレジ袋を使うと思います。
有人レジだとちょっと躊躇してしまうような人でも、セルフレジなら楽々レジ袋です。

そう、セルフレジでは昔通りレジ袋を使う方がデフォルトなんですね。

なぜか?
理由は簡単です。

レジ袋を使った方が回転が速くなってより少ない台数のレジで客をさばける上に、本当はレジ袋が欲しいのにちょっと躊躇してしまう層を取り込めます。
そして、レジ袋の価格は有人レジの人件費に比べれば微々たるものです。
わずかな投資で大きなリターン。素晴らしい戦略です。

以上、どんなにエコエコ叫んでみたところで、結局のところ、エコノミーの前にはエコロジーは吹き飛んでしまうんだなというお話でした。

カテゴリ: Business タグ: eco