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Facebook が Google を廃業に追い込めない理由2011-06-06


Facebook は Google を廃業に追い込めない。いや、そもそもそんな必要はなく、Facebook は Google の領域を侵食することなく、自身のビジネスを伸ばしていく事ができる。

その事は歴史を見れば明白で、IBM → Microsoft → Google と IT ビジネスの覇者が移り行く中で、Microsoft は IBM を廃業に追い込んではいないし、Google が隆盛を誇る今も、Microsoft の売り上げは依然として高いままだ。

この覇者の移り変わりは、IT ビジネスの主戦場が、ハード → ソフト → ウェブ、と移り変わって来た事に合致する。
それぞれの分野における (当時の) 覇者がすなわち IT の覇者であったという事にすぎない。
そしてそれら、IT ビジネスの新しい領域は以前の領域を土台として発展している事もまた明白で、ハードがなければソフトは動かないし、ソフトがなければウェブもまた動かないのだ。

過去の覇者が覇者たり得たのは、決して以前の覇者を追い落としたからではなく、従来は無かった、もしくはビジネスにならなかった領域を切り開き、覇権を握ったという事だ。
もちろん、IBM、Microsoft、Google それぞれで競合する分野はあるし、過去の覇者はその資金力を活かして新分野にも攻め込みはする。
だが、結局のところ新たな覇者にはなれないし、売上比率は自分が覇者だった領域が一番高い。
(IBM は、2 世代分の時間をかけてハードからソフトへの転換を図っているが。)

翻って Facebook はどうか。

Facebook が見ているのは、ウェブに続く次の領域、パーソナル (なネットワーク) 分野に他ならない。
これは言わずもがな、ウェブを土台として発展した新しい領域だ。

この新領域で勝負していくのなら、Google を追い込む必要などなく、新しいビジネスの領域を切り開いて行けば良い。

そもそも、Facebook でウェブページを「いいね!」する時、友達の紹介じゃなく最初に「いいね!」した人は、どこでそれを見つけたんだっけ?
Google 検索?Google ニュース?Google リーダー?
もし Google が全く存在しない世の中だったら、今ほど Facebook が盛り上がる事などあり得ただろうか?

IBM はハードを売った。
Microsoft はソフトを売った。
Google は広告を売った。
それぞれに新しいビジネスだった。

そして、Facebook は広告を売って…、あ…れ?
第 4 の覇者ってもうちょっと新しい事して欲しい気が。

追記

はてブのコメントより、Facebook は「通貨」を売っているとの指摘が。
なるほど、その領域の覇権を握れれば、第 4 の覇者といって差し支えないかと思う。

カテゴリ: Technology Business タグ: google facebook